コーチから裏方、スカウト… NPB球団で第2の人生をスタートさせた元パ選手たち

オリックス岡崎はアマチュアスカウト転身、ホークス川原は1軍スコアラーに

○オリックス

岡崎大輔(球団本部編成部アマチュアスカウトグループ)

 花咲徳栄高時代は3度の甲子園出場を経験し、2016年ドラフト3位でオリックスに入団。ルーキーイヤーは代走として1軍デビューを果たすと、翌日にはスタメンに名を連ねるなど5試合に出場し、プロ初安打初打点もマークした。

 しかし以降は1軍出場できず、育成選手として4年目のシーズンを迎える。2021年8月には再び支配下登録選手となったが、昇格することなく10月に戦力外通告を受けた。引退後はアマチュアスカウトに転身している。

1軍通算成績:5試合2安打1打点、打率.143

稲富宏樹(球団本部アシスタントスタッフ・ブルペン捕手)

 三田松聖高時代、日光を浴びると体調が悪化する紫外線アレルギーを発症。それでも諦めずに野球に打ち込み続け、2017年にオリックスから育成ドラフト1位指名を受けた。

 ルーキーイヤーはオフに「2018アジアウインターベースボールリーグ」へ参加。翌年には2軍で80試合に出場するなど経験を積んだが、2021年までの4シーズンで支配下登録を勝ち取ることができず。同年限りで現役を引退し、ブルペン捕手としてチームを支えていく。

○ソフトバンク

高谷裕亮(2軍バッテリーコーチ)

 小山北桜高を卒業後、富士重工を経て白鴎大へと入学した異色の経歴の持ち主だ。2006年、大学生・社会人ドラフト3位でソフトバンクに入団すると、以降15年間にわたってチームを支え続けた。

 2021年オフに戦力外通告を受けた際には、現役続行か引退かで揺れる心境を吐露しつつも、現役引退を決断。その後2軍バッテリーコーチへの就任が発表された。捕手の育成へ、その手腕を振るうこととなる。

1軍通算成績:643試合201安打10本塁打101打点、打率.194

長谷川勇也(1軍打撃コーチ)

 酒田南高から専大へ進学後、2006年のドラフト5位でソフトバンクに入団。198安打を放った2013年には最多安打と首位打者のタイトルを獲得したものの、翌年に故障して以降、常に右足首の不安と戦い続けた。

 2021年は代打や指名打者として70試合に出場。打率.263を記録したが、怪我の悪化を理由に現役引退を決断した。引退後は1軍打撃コーチに就任し、積み上げてきた打撃理論を伝えていく。なお、2012年から10年間背負った背番号「24」は、栗原陵矢外野手が引き継いだ。

1軍通算成績:1233試合1108安打76本塁打434打点、打率.288

川原弘之(1軍スコアラー)

 2009年ドラフトで2位指名を受け、福岡大大濠高から地元球団であるソフトバンクに入団。2012年には1軍登板を経験したが、度重なる故障に悩まされた。2016年からはトミー・ジョン手術を受けた影響で3シーズンを育成選手として過ごしている。

 2019年に支配下へ復帰すると、6年ぶりとなる1軍登板でプロ初ホールドを記録。2020年には22試合に登板して防御率2.00をマークしたが、2021年は3試合の登板にとどまった。今後は1軍スコアラーとしてチームに貢献していく。

1軍通算成績:47試合0勝0敗5H、50回 31奪三振 防御率2.88

吉住晴斗(球団統括本部野球振興部スタッフ)

 鶴岡東高時代には2年夏に甲子園に出場。2017年のドラフト1位で福岡ソフトバンクに入団した。2020年までの3年間は三軍戦を主戦場としており、オフに育成契約を打診される。

 この時点で現役引退の可能性を口にしていたが、チームメイトである石川柊太投手、ダルビッシュ有投手(現・パドレス)の支援もあり、現役続行を決めた。しかし、2021年も一軍には届かず、戦力外に。現在は球団の野球振興部スタッフに就任している。

(「パ・リーグ インサイト」吉村穂乃果)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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