エンゼルスのオーナーは“強硬派” 労使交渉の「歩み寄り案」に反対と米報道
ぜいたく税をかける「基準額」は労使交渉での大きな争点
メジャーリーグ機構と選手会は1日(日本時間2日)に新労使協定締結に向けた交渉が決裂し、3月31日(同4月1日)に予定されていた開幕が延期となる事態を招いている。この交渉過程で争点となっていた「ぜいたく税をかける基準額」の引き上げについて、大谷翔平投手がプレーするエンゼルスを含む4球団のオーナーが反対していたことが明らかになった。米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」が伝えている。
ぜいたく税はチームの総年俸が一定額を超えるとかけられるもので、戦力平準化の狙いがある。選手会側はこの「基準額」の引き上げを求めている。1日まで米フロリダ州で行われた交渉の席で、2021年は2億1000万ドル(約242億3500万円)だったのを、機構側は2億2000万ドル(同253億9000万円)まで引き上げる提案を行おうとしたところ、エンゼルス、ダイヤモンドバックス、レッズ、タイガースのオーナーが反対したという。
記事は「球界の総収入が増加しているにも関わらず、ぜいたく税の額はそれに伴っていない」とオーナー側を非難し「4人のオーナーが反対したという事実は、労使交渉の最も大きな争点について少なくとも数人の“強硬派”の存在を明らかにした」と指摘している。
ぜいたく税の基準額が上がると、不利益を被ることになる市場の小さな球団のオーナーも、すべてがこの提案に反対したわけではなかった。記事はさらに「(選手会と)交渉を続ける中で、コミッショナーのロブ・マンフレッドはぜいたく税の基準額引き上げを保証するのに苦戦していたかもしれない」と、強硬派が大きな障害となっていた可能性に触れている。
選手会はこの基準額を2億3800万ドル(約274億6000万円)にすることを求めている。記事は「もし2億3000万ドル(265億4000万円)あたりまで増額させるとなると、さらに多くのオーナーが反対するかもしれない」と今後の交渉難航を予想した。
新労使協定を承認するためには、30球団中23球団のオーナーの賛成が必要だ。強硬派の存在が明らかになったこともあり、記事は「業界内は全般的に、4月にシーズンが始まることに楽観的ではない」としている。
(Full-Count編集部)