山崎康晃も「どしっとしている」と感心 “まさか”の舟出乗り越えた18歳・小園健太に集まる期待

3月から2軍合流、課題は「再現性であったりバランス」

 小園にとって、初めてのキャンプは“まさか”のスタートだった。2月1日に新型コロナウイルス感染者の濃厚接触者疑いとなり自主隔離。いきなりの出遅れも「1日目からなったのは新人では初めてじゃないかと思うので、印象に残っていますね」と平然と言ってのけた。

 合流後は2度ブルペン入りするなど、順調に階段を上がった。先輩たちとのキャッチボールでは学びも多かった。2020年ドラフト1位・入江大生の球の伸びには驚きを覚えたという。2018年に11勝を挙げ新人王に輝いた東の姿からは「遠い距離からでも胸元に強い球がきて、自分もそういうところは見習わないといけないと思ったし、そういうピッチャーになっていきたいなと思った。凄く勉強になりました」と収穫を得た。

 貴重な1か月を経て、3月から2軍に合流した。三浦監督は「小園がこれからプロとしてやっていくため、どうやっていくのかというところは監督だけでなくチーム全体で考えてます」と説明。絶対的なエースとなるための鍛錬の期間に入るが、1軍レベルを体感したことは大きな利点となるだろう。

 小園は「同じ球を連続で投げられる再現性であったり、バランスであったり、そういう部分はまだまだ自分は足りないところだと思っているので、そこはこれからの課題だと思っています」と冷静に自分を分析した。

 近年ではルーキーイヤーの終盤に1軍マウンドを踏み、翌年の飛躍につなげる選手も多い。昨季2年目でブレークした宮城大弥(オリックス)や奥川恭伸(ヤクルト)もそうだった。

 小園にはどんな道が待っているのだろうか。もちろん、チーム事情もあるだろう。しかし新人とは思えない“雰囲気”をまとう背番号「18」には期待せずにはいられない。ハマスタの歓声の中でマウンドに上がる日が楽しみだ。

(町田利衣 / Rie Machida)

○著者プロフィール
町田利衣(まちだ・りえ)
東京都生まれ。慶應大学を卒業後、スポーツニッポン新聞社に入社。2011年から北海道総局で日本ハムを担当。2014年から東京本社スポーツ部でヤクルト、ロッテ、DeNAなどを担当。2021年10月からFull-Count編集部に所属。

(町田利衣 / Rie Machida)

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