鷹・松田宣浩、“長寿”への道標は右方向への安打? 藤本監督が重ねる名打者の姿

ソフトバンク・松田宣浩【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・松田宣浩【写真:藤浦一都】

目指すのは「1本の爆発的なホームランよりも3本のコンスタントなヒット」

■ソフトバンク 6ー1 巨人(オープン戦・9日・PayPayドーム)

 ソフトバンクの松田宣浩内野手が9日、巨人とのオープン戦(PayPayドーム)でマルチ安打と存在感を示した。若手の猛アピールが続く三塁のポジション争い。この日は井上朋也が2安打すれば、途中出場のリチャードも適時打を放った。百戦錬磨のベテランは負けていられない。

 松田はこの日「6番・一塁」でスタメン出場。第1打席で右前打を放つと、第3打席では同じく右翼への二塁打を放った。「追い込まれてからしっかり反応できたし、2本目もまっすぐに対して右方向へ長打が打てて良かった。真ん中から内よりであればセンターから左中間方向に打ちたいと思うが、今年はなかなか外寄りが多く、それに逆らわずに打てている」と手応えを口にする。

 さらに「今年は『1本の爆発的なホームランよりも、3本のコンスタントなヒット』を心掛けている」と強調。そのために右打ちのコツもつかめてきたといい「真ん中から外に対して、強引にいってひっかけるのではない、そのポイントが分かり出してきたかなと思う」とうなずく。

 藤本博史監督は「みんな打ち出したね。リチャードも井上の2安打を見て気持ちが入ったんじゃないの? マッチ(松田)も打つし、こっちを悩ませてくれたらね」と、激化する三塁手争いにうれしい悲鳴をあげている。と同時に指揮官は、今の松田にはかつての名選手の姿が重なって見えると話す。それはダイエー時代にチームをけん引した元監督の秋山幸二氏だ。

「秋山さんは年齢とともにホームランは減ったけど、右方向へのヒットが増えて長く野球ができた。僕もそういう姿を見ているんでね。マッチもそういう風になってきたのかなという感じがしますね」

 それを伝え聞いた松田は「ホームランを300本打って、『次は』と考えたらヒットと打点。それをどんどん稼げたら試合にも出られる」。新たな打撃スタイルで、より長い現役生活を目指していく。

(藤浦一都 / Kazuto Fujiura)

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