なぜ神輿? 衝撃だった鷹の開幕戦セレモニー、担当者が明かす真相とビッグボスの協力

衝撃的な開幕戦セレモニーの実現へ背中を押した“思い”

 球団内には監督を大々的に演出に起用し、監督を“見せ物”のようにしてしまうことへの懸念もあった。「選手が主役だというのを崩してしまっていいものか、というのは心配していました」と稲永氏も言う。その心配を振り切って、実現へと背中を押してくれたのは、ファンへエンターテインメントを提供したい、野球を、ホークスを楽しんでもらいたいという願いだった。

 新型コロナウイルスの感染拡大でなかなか観戦もままならなかったこの2年間。まだ、声援を送れないなどの制限はあり、ファンには不自由さも感じさせている。その中での3年ぶりとなる満員4万人での開催。稲永氏も「この2年間、コロナ禍でちゃんとした興行をファンの皆様に届けられていませんでした。せっかく新庄さんが盛り上げてくれていたので、しっかり乗っかりつつ、楽しいことを提供できたら、また球場に来たいと思ってくれるのではないかと思っていました」と語る。

 コロナ禍で、テレビ中継やインターネットでのライブ配信で観戦することに慣れてしまった人もきっと多いだろう。それでも、生観戦の魅力を忘れてほしくない、思い出してほしい。「ライブエンターテインメントの魅力を改めて認識してもらえたら。音の迫力、生の迫力はやはり中継を見るだけでは味わえない」と稲永氏。そんな思いも込めて、前代未聞の開幕戦セレモニーが実現したのだった。

「なによりも協力いただいた藤本監督と新庄監督に感謝しています。そして、時間のない中で必死に準備をして、間に合わせてくれた関係者の皆さんにも感謝しています」と稲永氏は球団を代表して、感謝の思いを伝える。プロ野球を盛り上げたい。ファンを楽しませたい。ソフトバンク、日本ハム、藤本監督、そして新庄ビッグボス。関わった全ての思いが合致し、大反響を呼んだ開幕戦セレモニーが出来上がった。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY