近江・山田に「私も野球人として感動」 浦和学院監督、延長170球の熱投に脱帽
主将・八谷晟歩「“新生・浦和学院”にふさわしい試合は見せられたと思います」
誤算だったのは、相手のエース・山田が死球を受けた後、球威が落ちるどころか、むしろギアを上げたことだ。浦和学院は森大監督の下で昨秋以降、「緊迫した場面での1本の長打」をテーマに、木製バットを使用しながら打力強化に取り組み、今大会ではチームで4本塁打を放っていた。ところが、この日は闘志むき出しの相手のエースをとらえ切れない。金田も好投したが、7回にスクイズで同点に追いつかれ、延長11回に大橋大翔(3年)にサヨナラ3ランを浴びたのだった。
森監督は山田を「最後までボールの質が落ちなかった。昨夏の甲子園での経験もあり、世代トップクラスの投手だと思います。うちの選手もよく食らいついたが、彼の気迫には私も野球人として感動しました」と称賛した。さらに「私が監督になって半年、選手たちと取り組んできたことの成果は出たと思います」とうなずき、「ここで勝ち切るのに必要なのは山田君の気持ち、気迫。最後はそこなんだと、私自身改めて感じましたし、そう感じさせてくれた甲子園は本当に素晴らしいと思います」と感慨深げに話した。
主将の八谷晟歩(3年)も「森大監督になって1年目、“新生・浦和学院”にふさわしい試合は見せられたと思います」と満足感いっぱい。「この冬に打撃を強化してきましたが、大事なところで1本出せるように、さらに強化していきたいです」と夏へ目を向けた。31歳の若き指揮官の下、改めて頂点を目指す。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)