プロ入り後も「東海大相模の小笠原くん」 6年かけて解いた“甲子園V投手の呪縛”

潮目変わった2021年、初の規定投球回到達に首脳陣「いい雰囲気が出てきた」
2021年はシーズンを通して先発ローテーションを担い、黒星が2つ先行したものの自己最多の8勝。初めて規定投球回に達した。まだ満足には遠くても、潮目が変わったのは確かだった。今年2月の春季キャンプ。淡々と、それでいて丁寧に調整を進める姿に、首脳陣は「慎之介はいい雰囲気が出てきた。大人になった」と目を細めた。
本拠地開幕のマウンドを任された3月29日のDeNA戦(バンテリンドーム)は、7回を6安打、9奪三振、3四球で3失点。黒星を喫した。2日後には新型コロナウイルスの感染が分かり、出場選手登録を抹消された。幸先がいいとは言えないプロ7年目だが、まだ始まったばかり。期待を受け止めるだけの懐の深さと、それに応えるだけの自信は備わったつもりだ。
勢いと無邪気さの10代、もがき苦しんだ20代前半、そして20代後半へと向かっていく。やっぱり印象的な「慎之介スマイル」には、落ち着きと精悍さが漂うようになった。それこそ、「中日の小笠原」になった証しなのかもしれない。
○著者プロフィール
小西亮(こにし・りょう)
1984年、福岡県生まれ。法大から中日新聞社に入社。石川県や三重県で司法、行政取材に携わり、中日スポーツでは主に中日ドラゴンズやアマチュア野球を担当。その後、「LINE NEWS」で編集者を務め、独自記事も制作。2020年からFull-Countに所属。
(小西亮 / Ryo Konishi)
