“日本一の小学生”たちはどんな特訓をしてる? ライバルに差をつける独自練習法

中日ドラゴンズジュニア・見崎賢汰くん【写真:川村虎大】
中日ドラゴンズジュニア・見崎賢汰くん【写真:川村虎大】

初戦で大会記録の3発、見崎くんは“長尺バット”や“羽根ティー”導入

 初戦で大会記録の1試合3本塁打をマークした見崎賢汰くんは、家がスポーツ用品店という“利点”を生かす。「いろいろ工夫したバットをお父さんが持ってきてくれるので、みんなとは違った練習ができているんじゃないかと思います」。例えば、長さ1メートルある“長尺バット”。上半身だけでは振ることが難しいため、下半身を意識する。

 羽子板で使うような羽根を使ったティー打撃も毎日実施。「力が入っていると、羽根をしっかり打てないんです。力抜きながらミートに集中してライナーで打ち返すように」との意識を徹底。さらにYouTubeからも技術の情報を仕入れ、自身で試行錯誤。打撃のしなやかさが身についたといい、中日ジュニアの湊川誠隆監督も「バッティングが柔らかい。今まで見た中でも指折りの選手」と絶賛した。

 大会通算5本塁打で、準決勝では神宮球場の左翼スタンド中段に“超特大弾”を放って話題となった小久保颯弥くんも、塾がある水曜日以外の平日はチームの練習場で仲間と自主練習を欠かさない。「ホームランをいっぱい打ちたかった」という思いから、ティー打撃用ネットの上部を狙ってフライを打つイメージでスイングを繰り返してきたという。小学5年生ごろから急激に身長が伸びたのもあり、打球の飛距離と投球のスピードは飛躍的に上がった。

 中日ジュニアの選手たちに共通しているのは、自分に足りないものを考え、必要な練習を取り入れている姿勢。「試合の時は、自分が一番上手いと思ってやる。練習になると、自分が一番下手だと思って追い込む」。父から教わったという山本くんの言葉が象徴するように、好きな野球を突き詰める向上心も欠かせない。

(小西亮 / Ryo Konishi)

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