ドラ1候補の“二刀流”大学生が直面する壁 7打数連続安打から一転、4の0…
日体大・矢澤は東海大戦に「4番・DH」で出場も4の0、今季4戦目で初黒星
首都大学野球の春季リーグ戦が10日、東京・大田スタジアムで行われ、投打二刀流で注目される日体大・矢澤宏太投手は「4番・DH」で東海大との試合に先発出場し、4打数無安打に終わった。今秋プロ野球ドラフトの目玉として注目される矢澤は、相手からマークされる中で浮き上がってきた課題を今後、克服できるだろうか。
東京・大田スタジアムは晴天だったが、矢澤の表情は曇っていた。東海大の左腕・岩本真之介(2年)に対して1打席目は投ゴロ、2打席目は遊ゴロ。同点で迎えた5回2死一、二塁の3打席目は詰まらされて右飛、8回の第4打席も一ゴロに倒れた。試合は9回に東海大の主将・小松にサヨナラ適時打を許して、今シーズン初黒星を喫した。
「自分が打てば勝っていた試合なので、打たなければいけなかった」。エースだけでなく、4番も担うチームの大黒柱。責任も大いに感じていた。
リーグ戦開幕カードの桜美林大戦では2試合で7打数7安打1本塁打4打点。前日9日の東海大戦は「4番・投手」で出場して7回2失点、降板後は右翼の守備に就き3打数1安打3打点で勝利に貢献した。しかし、この日は岩本の逃げていく外角球に体勢を崩され、引っ掛けたゴロが目立った。「振りにいきにくかった」と矢澤は振り返り、古城監督は「苦手な(タイプの)投手だった」と指摘した。
日体大はYouTubeで試合を中継している。そのため、相手に「対策を取られても打てる、抑えられる」をテーマに練習を積んでいる。ただこの日の矢澤は「あまりここで言うと、(相手が)それを見て対策を取ってくるので」と語る一幕もあった。
東海大とは1勝1敗となり17日に3回戦が予定されている。「しっかり準備してイメージをつくっていきたい」と矢澤。この1年間、打者としては「コンタクト率」を上げること目標に成長を遂げてきた。「考えられる子」と古城監督が全幅の信頼を寄せる二刀流が“包囲網”をどう突破するか。次戦の打棒が注目される。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)