答え見つからず戦力外「楽しくなかった」 3年後に北九州で見つけた“ワクワク”

NPBで「結果を残す」自信はあるが「現実は厳しい」と自己分析

 3月のキャンプインから1か月あまり。西岡兼任監督が率いる北九州は、選手の自主性や置かれた状況などを考慮した練習形式を採り入れたり、試合では音楽を流して雰囲気を盛り上げたり、従来の枠を越えた新たなアプローチで野球の魅力を伝えている。ホーム開幕戦となった3月20日の火の国サラマンダーズ戦には、独立リーグとしては異例の1248人ものファンが集まった。

 手探りではあるが、チーム一丸となって新しいものを作り出している感覚に「どんなチームになっているか、シーズンが終わった後が楽しみですね。毎日ワクワク楽しい気持ちでやっています」と大河。新チームの勢いに乗って「NPBに復帰する!」と景気よく宣言したいところだが、現実を冷静に見る自分もいる。

「トライアウトを2回受けて声が掛からず、ほぼ戻れない状態だと思っています。もちろん、戻れるなら戻りたいし、戻ったら『結果を残します。ベイスターズの3年間とは全然違う自分を見せます』という自信はあります。でも、現実は厳しいので、自分よりNPBに行く可能性が高い選手に、僕の経験を伝えていきたいとも思っています」

 現役を退くつもりはこれっぽっちもない。3歳から始め、20年以上もの付き合いになる野球とは切っても切れない縁にある。辞めようと思ったことは何度もあるが、「やっぱり好きだし、辞められません。今となっては辞める理由を探す方が難しいくらいです(笑)」。自身の売りでもある「積極性と気持ち溢れるプレー」で大いに北九州を盛り上げていくつもりだ。

「自分たちの元気なプレーで、周りも元気になってもらえるように。応援していただいている実感を持ちながら、地元に愛されるチームになっていきたいですね」

 NPBを離れて3年目。野球選手として、人として、一回りも二回りも大きくなった姿を、北九州の地で見せつける。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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