1番に据えた大田泰示が移籍後初アーチも… DeNA三浦監督の“勝負手”の明暗

終盤の勝負手で送り出したベテランの藤田は痛恨の併殺打

 大田の1発で先制したDeNAは、続く4回にも1四球を挟み4連打で一挙3得点。中盤までに優位に立った。ところが、6回に先発の大貫が3連打と犠飛で2失点。8回にはエスコバーが2安打2四球を献上して同点に追いつかれた。9回には4番手の新外国人右腕クリスキーが無死一、二塁のピンチをつくり、リリーフした田中健が無死満塁から山崎に決勝犠飛を許した。

 三浦監督は「いい形で先制し、リードを取れたが、もう1点を取り切れなかった。流れ、勢いをものにできなかったですね」と語り、5回から8回まで毎回走者を出しながら追加点を奪えなかった攻撃面にも敗因を求めた。

 特に4-4の同点で迎えた8回には1死満塁の勝ち越し機を作り、田中俊の代打にプロ18年目の39歳、ベテランの藤田一也内野手を送った。「藤田で勝負しました」と指揮官。楽天を経て10年ぶりにベイスターズに復帰した藤田は、15日に代打で今季初安打を放ち、前日の16日には初めてスタメンで起用され4打数1安打。確かに、何かをやってくれそうなムードは漂った。

 ヤクルト5番手・石山に対し、3ボールと“勝ち越し押し出し”まであと1球と迫ったが、そこから見逃しと空振りでストライクを2つ取られてフルカウントに。最後は外角低めいっぱいの149キロ速球に押し込まれ、痛恨の二ゴロ併殺打に倒れて一塁へのヘッドスライディングも及ばなかった。

「大田にはこの1本をきっかけに状態を上げていってほしい」とまなざしを向けた三浦監督。桑原の他にも牧、楠本、神里、柴田、倉本、戸柱らを新型コロナウイルス陽性で欠き、スタメンの編成がままならず、代打も手薄な中で、苦心のタクトを振り続ける。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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