オリ宮城は「1点も取られていない」 右投げで115キロ…恩師明かす中学時代の“伝説”

中学の頃から野球も振る舞いも一流「今でも本当に素直な子」
そんな宮城だが、決して恵まれた環境にいたわけではなかったという。家計に余裕があったわけではなく、着用していたユニホームには穴が開いていることもあったが、「全く負い目を見せることはありませんでした」。常に「家族を楽にしたい」と話していた左腕は「誰に対しても良い子。チームメートに対して怒ったところを見たことがありません」というほど穏やかで、野球はもちろん振る舞いも一流。その周りには自然と人が集まっていた。
今でも、一流の振る舞いは変わらない。宮城は毎年、チームに硬球20ダースをプレゼントし、オフには同期の勝連大稀内野手(ソフトバンク育成)とともに後輩たちを訪問している。嫌な顔一つ見せず、選手ひとりひとりにサインを書く姿に、知名氏は「今でも本当に素直な子だな」と感心する。
宮城が新人王を獲得した際、知名氏は宜野湾ポニーズの選手たちと集まり、みんなで一緒に喜んだ。今では、子どもたちにとっては憧れの的になっている。
「昨年のようにうまくいくわけではないと思うが、大弥ならやってくれると思う」
そう語る知名氏の目は、まるで自身の孫を見るように優しい。自慢の教え子の活躍を、故郷・沖縄からそっと見守る。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)
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