ソフトバンクの攻撃に見える確かな“変化” 藤本監督も手応えを感じる昨季との違い
四球と三振の割合を示す「BB/K」は12球団トップの数字
セイバーメトリクスの指標などで分析を行う株式会社DELTAのデータを参照すると、昨季は全打席数における四球と三振を表す「BB/K」がリーグ4位の0.42だったが、今季はここまで12球団でもトップとなる0.59をマークしている。四球が増えることで打数が減ることもあり、打率.247はリーグ2位に。出塁率.314もリーグ3位となっている。30イニング連続無得点があるなど、あと1本が出ずに“貧打”のイメージが付きまとうが、塁上を賑わせている。
今季のパ・リーグは13試合と試合消化の少ない楽天の62得点が18日時点でのチーム得点のトップ。ソフトバンクが61得点でこれを追う。2試合連続で完全投球を披露したロッテの佐々木朗希投手をはじめ、オリックスの山本由伸投手、ソフトバンクの千賀滉大投手といった好投手が前評判通りの投球を見せていることもあって、リーグ全体でロースコアゲームが多くなっている印象だ。
17試合でチーム本塁打数は7本と少なくなっているソフトバンク。栗原陵矢外野手が今季絶望の大怪我を負い、柳田悠岐外野手も左肩の腱板炎で離脱中と打線の核2人を欠き、苦しい状況にある。そんな中で白星を拾えているのは、この“いやらしさ”も一因。昨季から大きな“変化”を見せる2ストライクアプローチが、今季の“繋ぎの野球”の象徴となっている。
○著者プロフィール
福谷佑介(ふくたに・ゆうすけ)
1982年8月、東京都生まれ。大阪や愛知で少年時代を過ごし、早大から報知新聞社入社。サッカー担当、野球担当を経て独立し、フリーに。月刊ホークスやベースボールマガジン、ホークスファンクラブ会報誌などにも寄稿。現在はFull-Countで執筆活動を行う。ソフトバンク・甲斐拓也捕手のスローイングを初めて「甲斐キャノン」と表現した。
【Twitter】https://twitter.com/yusukefukutani
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)