投球に通じる「美味しいコーヒーの追求」 “独創的”なロッテドラ3廣畑が深める感性

ロッテのドラフト3位ルーキー廣畑敦也【写真:球団提供】
ロッテのドラフト3位ルーキー廣畑敦也【写真:球団提供】

ロッテのドラフト3位・廣畑は「コーヒースペシャリスト」の資格を持つ

 野球もコーヒーも、奥が深い。ロッテのドラフト3位ルーキー・廣畑敦也投手は大のコーヒー好きでもある。そんな右腕は、「美味しいコーヒーを追求することは、ピッチャーがいい球を投げたいということと似たようなところがあります」と、野球との“共通点”があると語る。

 寮には数種類の豆を持ち込み、自分で入れたこだわりの一杯を楽しむ。「コーヒーは毎日毎日表情が違って、お店で飲んだ豆を自分で入れても違う味がするんです」。美味しさはもちろん、正解がないという部分に惹かれた。性格的には1つのことをとことん突き詰めるタイプ。社会人2年目の時には好きなことを形にしようと「コーヒースペシャリスト」の資格も取得した。

 これまで100種類以上飲んできた中で、気付いたこともある。「野球もコーヒーも数値は大事ですけど、それ以上にセンスを磨くことが大事」。コーヒーの味も数値化できるが、数値が良くても美味しくないこともあるという。

 それは野球でも同じことが言える。「バッターにいくら得意なコースがあるといっても、100%打てるわけじゃない。ピッチャーはそこを攻めたりしないといけないし、そういうのを肌で感じないといけない」。回転数や変化量の数値が高くても、打たれることもある。バッターの打席での雰囲気や、狙い球、グラウンド上でしか感じ取れないことも少なくない。様々なデータを分析できるようになったこの時代の中でこそ、感性を大事にしていきたいと語る。

 理想の投手像は、27球で完封する投手。「結局そういうのも、バッターが何を狙っているとか感じることができるセンスが大事になると思うんです。初球で終われば、27人に投げても、毎日投げれるんですよ」とニヤり。開幕1軍を掴むと、デビューから4試合連続で無失点投球。ピンチを断ち切る好救援も見せた。「シングルヒットは打たれてもOKというのは自分の中ではあります。僕は三振をたくさん取るタイプではないので、ファンの方々にはヒヤヒヤさせちゃうかもしれないんですけど……」と、ルーキー右腕はさらりと言ってのける。

 将来は「もちろんコーヒー屋さんを持ちたいですね」とセカンドキャリアも設計済。探求心を忘れず、目標に掲げる新人王を目指す。

(上野明洸 / Akihiro Ueno)

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