「ずっと2軍」の危機感が生んだ原点回帰 ロッテ3年目、福田光輝が求めるスイング
3年目の今季、福田光輝は開幕から1軍でプレーを続ける
まだ若手……でも常に“危機感”は抱いている。ロッテの福田光輝内野手は、昨季1軍昇格を果たせなかった悔しさを胸に3年目のシーズンに臨んでいる。2年目を振り返り、今季への思いを語った。
昨季はファームで打率.246、2本塁打、31打点。「結果はもちろん納得いっていないですし、去年の状態で1軍に上がっても、打てる自信はなかったです」。一昨年に比べて打率は上がったものの、悩み抜いた1年だった。
昨年4月はチームが破竹の14連勝。福田光は主軸として打率3割台と好調をキープしていたが、どこか気持ちは晴れなかった。「こうだから打てているんだみたいのがなくて、たまたまが続いたなという感じでした」。昨年は練習で逆方向への意識を強く持つなど、バッティングを模索したが、大きな手応えは得られなかった。「もう一度、自分が一番振れるポイントで打つということを心掛けてやってきました」。今季は原点に戻り、自主トレから“強いスイング”をすることに取り組んで開幕1軍を手にした。
法大から2019年ドラフト5位で入団し、ルーキーながらオープン戦で存在感を発揮して開幕1軍を掴んだ。しかし23打数2安打で打率.087に終わり、プロのレベルの高さに早くも危機感を抱いた。「自分の中では何か1ついいものを出していかないとずっと2軍になってしまうなと……危機感は常に持っています」。内野の全ポジションを守れるユーティリティ性は魅力。バッティングでアピールすることが、1軍定着の鍵になる。
「自分の感覚だけに頼ってプレーしていた」と語る1年目を糧に、昨年のキャンプでは福浦和也2軍ヘッド兼打撃コーチ(当時)とともに、下半身を使ったバッティングを身体に浸み込ませた。昨年の三振率は.124(329打席で41三振)と、一昨年の.242(214打席で52三振)から大きく改善。プロのボールにも慣れ始めている。「とにかく練習から自分がやっていることをしっかり試合の中で出すことが目標です。それができれば、僕は対応できる自信があります」と言い切る。
身長は176センチとプロでは小柄な部類だが、思い切りのいい鋭いスイングが長所。ルーキーイヤーのオープン戦では3本塁打を放ち、周囲を驚かせた。大阪桐蔭高、法大とエリート街道を歩んできたセンスは誰もが認めるところだ。
今季は高部瑛斗外野手、佐藤都志也捕手ら1997年生まれの同級生が1軍で台頭している。「一緒の学年で1軍にいられることは嬉しいです。刺激になっている部分もありますし、僕も頑張らないといけない」。今季こそ手応えを掴み、飛躍の1年にする。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)