新庄ビッグボスの異例の“ヒットエンドラン” 得点を奪うこと以上の狙いとは?

日本ハム・新庄剛志監督【写真:町田利衣】
日本ハム・新庄剛志監督【写真:町田利衣】

3回1死三塁、得点圏打率7割の松本は併殺に倒れた

■ソフトバンク 11ー4 日本ハム(24日・札幌ドーム)

 日本ハム・新庄剛志監督のヒットエンドランが興味深い。成功することもあれば、失敗することもあり、どちらにしても試合の流れを大きく変える可能性のある作戦。ビッグボスの脳裏には、その場の得点を奪うこと以上の意図があるようだ。

 24日の本拠地・ソフトバンク戦では、2点を追う3回1死三塁、カウント3-1から三塁走者の近藤健介外野手がスタートを切った。打者の松本剛外野手が放った打球は、前進守備の内野の頭を越えてセンターに抜けるかと思われたが、二塁を守る野村勇が必死に追いジャンプして好捕。すでにホームベース手前にいた近藤は帰塁できず、併殺でチェンジになった。

 プロ野球では珍しい走者三塁の場面でのヒットエンドラン。さらに打者がパ・リーグ首位打者で得点圏打率7割をマークしていた松本剛だったことから、疑問の声もあったかもしれない。投手陣が崩れて今季ワースト11失点を喫したこの日、新庄監督は広報を通じて「今日は日曜日。せっかく球場に来てくれたファンにつまらない試合を見せてしまった。次は楽しい試合を見せられるようにします」とコメントした。報道陣の前に姿を見せなかったため、あの場面の真意は分からない。

 ただ、前日23日のソフトバンク戦で出した2度の初球エンドランのサインについて、24日の試合前に報道陣に解説していた。そこで“ビッグボスの考え”の一端を垣間見ることができた。

 初回1死一、二塁で4番の野村佑希内野手が内角直球を詰まりがらも右前に運んで先制点を奪った場面について。「ちょっとバットが遠回りになってきているなという時に、コンパクトにとイメージさせる。(そういう)サインもある」と狙いを明かした。

甲斐の一瞬の動き見逃さず「失敗したけど、成功。面白いと思った」

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