大苦戦の阪神、反撃への“2条件” OBが「どん底は脱しつつある」と語る根拠
藤浪、伊藤将、秋山…「3人が万全の状態で戻ってくることも不可欠」
野口氏は以前から、先発要員のジョー・ガンケル投手のクローザー配転を提言しているが、今のところ矢野燿大監督ら阪神首脳陣にその気はなさそう。「首脳陣にとって最もしっくりくるシナリオは、開幕早々に大炎上して2軍落ちした新外国人の(カイル・)ケラーが調子を上げて戻ってくることかもしれませんね」と言う。ケラーはウエスタン・リーグで6試合に登板し、計5回2/3を無失点。1軍の救世主となる日が来るのだろうか。
また、阪神の開幕ローテの中では、藤浪晋太郎投手と伊藤将司投手が新型コロナの陽性判定を受け、秋山拓巳投手は不調でそれぞれ出場選手登録を抹消されている。「その3人が万全の状態で戻ってくることも不可欠でしょう」と野口氏は付け加えた。
「負けが込んだ要因はいろいろありますが、コロナでキーになる選手が次々と離脱したのは気の毒でした」と指摘する野口氏。チームに対して同情すべき要素もある。
2年目の佐藤輝明内野手がリーグトップタイの6本塁打を量産し、打率も.297をマークしているのは、紛れもなく明るい材料。野口氏は「開幕ロケットスタートを切ったものの相手に研究され、パタリと鳴りを潜めた昨季とは違う。徐々に成績を上げてきたところに、成長のあとと深みを感じます」と評した。気が滅入りがちな阪神ファンにも、お楽しみはまだまだ残されている。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)