「MAX150キロって言ってみたかったけど…」新庄監督に“下手投げにされた男”は今?

日本ハム・鈴木健矢【写真:荒川祐史】
日本ハム・鈴木健矢【写真:荒川祐史】

プロ3年目、鈴木健矢投手は2軍で大変身を遂げていた

 今年2月の春季キャンプ中、日本ハムの新庄剛志監督はいくつもの“仰天指令”を出した。そのうちの1つが、3年目の鈴木健矢投手を文字通り「突然」アンダースローに転向させたことだ。鈴木はわずか3日間の練習で臨んだ実戦で、1回無失点と好投し注目されたものの、その後はオープン戦に1度投げただけで1軍から姿を消した。一瞬の注目から2か月が過ぎた今、どうしているのだろうか。

 変身は、紆余曲折を経ながらも順調に進んでいる。2軍で開幕から8試合にリリーフし、打者34人に対して被安打はわずか2。防御率も1.00(26日現在)を記録している。ネット裏から試合を見守ったパ・リーグ球団の編成担当も「鈴木は良くなった。投手らしくなったね」と口にするほどだ。

 開幕1軍を争う大事な時期に結果を残せなかったのは、アンダースローらしくあろうとするあまり「とにかく低く、低く」投げることを優先しすぎていたからだと気づいた。そして下半身の柔らかさは、この投法を受け継ぐのに向いていた。

 3月、2軍の教育リーグで投げた時、高卒ルーキーにも簡単にバットへ当てられるのを見て、おかしいと感じた。ボールに力が伝わっていなかったのだ。「最大限、力の入るのはどこだという話です。今は135~136キロでも、打者に食い込めている感じがします」。手を振る位置は両肩を結ぶラインよりはっきり下で、紛うことなきアンダースロー。それでも徹底的に低さを求めるのは、ひとまず止めた。

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