DeNAを覆う開幕投手が未勝利の“もどかしさ” 三浦監督「いつもの東ではなかった」
岡本和に先制弾浴び「コントロールを見直したい」
■巨人 7ー0 DeNA(28日・横浜)
DeNAは28日、本拠地・横浜スタジアムで行われた巨人戦に0-7で大敗。今季開幕投手の東克樹投手が先発したが、岡本和に先制9号2ランを浴びるなど5回6安打4失点で今季3敗目を喫し、いまだに白星がない。
東は初回、2死からポランコを四球で歩かせ、4番・岡本和に対しカウント3-2から145キロの速球が真ん中高めに浮き、左翼席へ先制2ランを運ばれた。2回にも先頭の丸に四球を与えると、続く中島、岸田に連打を許し、あっさり追加点を献上。4回には丸に真ん中付近の143キロのストレートをとらえられ、バックスクリーン直撃のソロを浴びた。
三浦大輔監督は「先制の2ランが痛かった。甘くなったところを打たれた。いつもの東のコントロールではなかった」と振り返る。東自身も「次回登板までにコントロールの部分を見直したい」とうなずくしかなかった。
今季4試合に先発し0勝3敗、防御率4.09。3月25日の広島との開幕戦で自身初の開幕投手に指名されたが、味方の失策にも足を引っ張られ黒星を喫した。おまけにこの試合で左中指の皮がめくれるアクシデントに見舞われ、先発を1度飛ばさざるをえなかった。その後も白星から見放され続けている。
2020年2月に左肘のトミー・ジョン手術に踏み切り、長いリハビリを経て、昨年9月28日のヤクルト戦で1軍復帰。昨季中に3試合の登板を重ね、1勝2敗だった。三浦監督が昨季チーム勝ち頭で6勝を挙げた大貫らでなく、東を開幕投手に指名したのは、昨季最下位から「横浜反撃」をスローガンに巻き返しを図るチームと、大手術から復活を期す左腕の姿を重ね合わせ、相乗効果を期待したからだろう。ただ今のところは、チームを勢いづかせるべき開幕投手が未勝利であることが、今季もまた5位に低迷している要因の1つと言わざるをえない。
手術前は150キロを超える速球が威力を発揮していた東だが、この日はストレートのほとんどが140キロ前半、最速も146キロにとどまった。回復ぶりも気になるところだが、三浦監督は「今日は球の走りも悪かった。去年の終盤はストレートに威力があったし、今年も全部が全部悪かったわけではない」と評する。
この日は打線も、プロ2年目の巨人・山崎伊に初対戦で6回3安打無失点に抑えられ、プロ初白星を献上。結局4投手継投の前に零封負けを喫した。上位進出へは、名実ともにエースとしてチームを引っ張る存在が必要だ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)