成長期は腰の怪我に注意 野球少年の“重症化”を防ぐ自己チェックと病院のかかり方
重症化のリスクがあるか、チェックの方法を動画で解説
高校球児の間では、体に痛みや違和感が出たら専門医に見てもらうという考え方が浸透しているのに対し、少年野球では単純に「整形外科に行っておけば大丈夫」と考える保護者や指導者が少なくないという。中には野球による怪我に詳しい整形外科医もいるが、専門外の場合もある。
例えば、成長が早い子どもが注意すべき「腰椎分離症」は、初期段階ではレントゲンで発見できない。MRIでの画像診断が必要で、ほとんどの整形外科や整骨院には設備がない。甲賀さんは「レントゲンでは問題ないと診断されて、時間が経ってから別の大きな病院でMRIを受けたら分離症が進んでいたケースもあります。重症化する前に元の体へ戻すため、早い段階で正確な判断、診断が必要です」と訴える。
腰に痛みを感じた場合、腰椎分離症の疑いがあるのかチェックできる方法があるという。前屈して痛いなら、筋肉の張りによる腰痛や筋・筋膜性腰痛、ヘルニアと推測できる。一方、背中を反って痛みがある時は、分離症の可能性がある。甲賀さんは、痛みが1~2週間続くようならMRIによる診断を受けるよう勧めている。分離症は早期に判明すればコルセットの着用で回復する。しかし、対応が遅れると骨が折れて分離し、治るまでに時間がかかる。
子どもたちが怪我をしないよう、成長に合わせた環境づくりが必要なのは言うまでもない。同時に、怪我をした時に重症化させない意識や行動も不可欠だ。
(間淳 / Jun Aida)
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