柳田悠岐の満塁弾を呼び込んだ 鷹打線が山本由伸を苦しめた好投手攻略の“お手本”
藤本監督が就任当初から掲げていた2ストライクアプローチの賜物
■ソフトバンク 7ー3 オリックス(3日・PayPayドーム)
ソフトバンクは3日、本拠地・PayPayドームでオリックスと戦い、7-3で勝利した。同点で迎えた6回1死満塁で柳田悠岐外野手が山本由伸投手から勝ち越しのグランドスラム。難攻不落の右腕をキャリアワーストの7失点でノックアウトし、連敗を4で止めた。
劇的な一発は3-3の同点で迎えた6回に生まれた。1死から9番の甲斐が死球で出塁。三森、牧原大が連打で繋いで満塁のチャンスを作った。ここで打席に立った柳田は2ボール2ストライクから必死に食らいついて2球、ファウルで粘った。「ファウルにギリギリなってましたけど『無理やろこんなん』と思いながら、とりあえず必死にやりました。もう本当に当てることで精一杯みたいな感じ」。7球目の153キロを弾き返した打球は左中間のホームランテラス席へと飛び込む決勝の満塁弾になった。
決勝弾を放ち、勝負を決めたのは柳田。ただ、ここに至るまでには、山本を追い詰めていく布石がいくつもあった。藤本博史監督も「すごい褒めるべきところ」と絶賛する、山本攻略に至るまでのチーム全体の取り組みがあった。
それこそが藤本監督が就任当初から掲げる「2ストライクアプローチ」の賜物だった。この日のソフトバンク打線はとにかく粘り強かった。積極的に早いカウントから狙いにいきながら、追い込まれると、必死にボールに食らいついてファウルにし、1球でも多く山本にボールを投げさせようという意識が見えた。