DeNA桑原の不振は「ちょっとどころではない」 三浦監督も心配、影を潜める“らしさ”
積極性が影を潜めファーストストライクに手が出ず
■中日 7ー3 DeNA(3日・横浜)
DeNAは3日の中日戦(横浜)に3-7で敗れ、今季初の4連敗で“借金”が今季最大の「6」となった。リーグ5位と低迷し、最下位・阪神にも2.5ゲーム差に迫られている。この4試合で計5得点と自慢の強打線が沈黙。オースティンが右肘のクリーニング手術を受け、宮崎も左太もも裏の炎症で戦列を離れている事情があるが、リードオフマンの桑原将志外野手の不振も要因の1つだ。
桑原はこの日、5打数ノーヒット。新型コロナウイルス感染を経て4月26日に1軍復帰を果たし、以降全5試合で「1番・中堅」としてスタメン出場しているが、計20打数2安打(打率.100)と振るわない。今季通算でも2割を切り打率.183となった。試合後の記者会見で三浦監督に「ちょっと桑原の調子が上がってこないのでは」と聞くと、指揮官は「ちょっとどころではない。状態も内容も悪いですね」と厳しい表情で答えた。
桑原と言えば、初球から打って出る積極性が持ち味だが、それも影をひそめている。この日も初回、中日先発の小笠原に対し、真ん中に来た147キロ速球の初球、真ん中付近だった2球目の119キロのナックルカーブを見送り、カウント1-2となった後、低めのチェンジアップを打たされ二ゴロに倒れた。5打席中4打席でファーストストライクを見送った。三浦監督は「状態が上がっていないから手が出なかったのか、それとも狙い球が違ったのか。本人に聞いてみないとわからないが、いずれにせよ、状態がいいか悪いかと言えば、良くはない」と断じた。
「チームとしていろいろ考えないといけない」と打順の組み替えも視野に入れる。だが、桑原は昨季1番に定着してリーグ5位の打率.310をマーク。それまでは成績が右肩下がりとなっていたが、就任1年目の三浦監督の下で復活を果たし、オフには年俸変動制の4年契約を結んだ。指揮官は今季も「桑原が塁に出るとチームが盛り上がる」と秘蔵っ子を評している。
桑原の離脱中は、ドラフト6位ルーキーの梶原や宮本、大田、関根、楠本が入れ替わり代役の1番を務めたが、桑原自身の復調が望ましいのは間違いない。チームきってのムードメーカーが元気を取り戻さない限り、上位浮上はおぼつかない。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)