鈴木誠也、好機に水差す“らしからぬ”スイング…「早く打ちたい」一念の悪影響?
「何とか早く打ちたい」不振脱出への思いが状況判断を鈍らせた?
スタートを切る一塁走者を二塁で刺そうとすれば、三塁走者の本塁突入も考えなければならないケース。この状況と一塁走者の好スタートからすれば、二盗成功の確率はかなり高かった。本来の鈴木であれば、肩の高さに来るボール球には自重できたはず――。
拙攻が、試合前に発した鈴木本人の言葉と重なってくる。
2日(同3日)に発表された、4月のナ・リーグ月間最優秀新人に選出されたことについて、鈴木はこう答えている。
「うれしいですけど、今の状態が良くなさ過ぎるので、そこよりも早く何とか打ちたいなという気持ちの方が強いです」
打ち気と鈍った状況判断とはまったくの無関係ではあるまい。窮地でボール球を有効に使いアウトを稼いだフォスターに、次打者のハップは見逃し三振に仕留められ、傾きかけた流れを断ち切られた。
今季最多の借金「6」を背負い、ナ・リーグ中地区4位に沈んだカブス。5日(同6日)は試合がなく、翌日からは強敵ドジャースを迎え撃つ。真価が問われる好カードで、鈴木はどう立て直してくるだろうか。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)