高校で野球を辞めようと思ったことも… ロッテの新1番・高部瑛斗がプロでの活躍を誓う理由
高部瑛斗はオープン戦で首位打者、定位置を掴み全試合に1番で出場
ロッテの新たなリードオフマンが、チームを上位へ導けるか。大卒3年目の高部瑛斗(たかべ・あきと)外野手は、今年のオープン戦で打率.393をマークして“首位打者”に。昨年全試合で1番を務めた荻野貴司外野手が出遅れていることもあり、ここまで全試合に1番で先発出場している。
1軍レギュラーの座を手にした高部だが、高校時代に一度野球を諦めかけたことがあった。山梨の名門・東海大甲府高に入学したが、試合に出られない日々が続き、挫折を感じるように。「もう終わりなんじゃないかなって」。高校を最後に野球を辞めるつもりだった。
そんな高部を“翻意”させたのは弟・晴斗さんの存在だった。男3兄弟の次男である高部が高校2年の時に、3歳年下の晴斗さんが白血病で倒れた。病床の弟が「見たい」と望んだのは、兄の野球をする姿。病と闘う弟の姿に奮い立ち、兄は猛練習に励んだ。3年夏にはレギュラーとして甲子園に出場して3回戦進出。大学でも野球を続けることになった。
高部が国士舘大1年の時に、晴斗さんは16歳でこの世を去った。弟の思いも胸に、兄は野球に打ち込み続けた。1年春からリーグ戦に出場し、通算129安打を記録。東都2部リーグの最多記録を更新した。野球を辞めようとしていた男が、プロの扉を開いた。