鈴木誠也に復調運ぶ“シカゴの春”はいつ? 「暖かくなると聞いているんですけど…」

本人の言葉に焦りはないが…待たれる春の訪れ

 この日喫した計3つの三振のうち、2つがチェンジアップの空振り。抜かれる球には「打てないと思います、ずっと」と歯切れよく返す。あきらめではなく、タイミングの模索はしても構築したスイングは絶対に崩さないという一貫した意識が言葉にじむ。

 思えば、4月7日のデビュー戦後、感想を問われた鈴木は言った。

「同じ野球だと思いますし。雰囲気だったり環境は違いますけど、野球は野球。特別感というか、あんまり変わりはないというか。いつもどおりという感じです」

 あれからちょうど1か月。数字的には下降線をたどっているが、本人の言葉からは焦りは感じられない。

 ここまで本拠地では14試合を戦ったが、強風と雨、そして低温という過酷な自然環境でのプレーを強いられてきた。体力の消耗も激しいはず。言い訳は絶対に口にしない鈴木だが「暖かくなると聞いているんですけど、一向にならないのでもう信じないです」とシカゴの春を嘆く。

 リグレー・フィールドの外野フェンスを覆う名物のツタには緑の新芽が出始めている。思い切りバットが振れる野球日和の日々は確実に近づいている。

 苦しめられてきた不可抗力から解放された鈴木誠也を見てみたい。

(木崎英夫 / Hideo Kizaki)

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