野球選手に読書が必要な理由 元燕の沢村賞投手がプロで成功できた「ノムさんの教え」

ヤクルトなどで活躍した川崎憲次郎氏【写真:編集部】
ヤクルトなどで活躍した川崎憲次郎氏【写真:編集部】

読書には行動するきっかけがある 川崎憲次郎氏が披露した「野村ノート」

 ヤクルトの黄金期を築いた野村克也監督が常々、口にしていた言葉がある。「本を読め」。野村監督を師と仰ぎ、最多勝や沢村賞に輝いた元ヤクルトの川崎憲次郎氏は、少年野球の子どもたちにも自分を向上させるきっかけが読書にあると訴えている。野球育成・技術向上プログラム「TURNING POINT」で、「ノムさんの教え」を明かしている。

 川崎氏のプロ野球人生は、野村克也氏の存在なくして語れない。野村氏がヤクルトの監督に就任した1990年、プロ2年目の川崎氏は自身初の2桁勝利を挙げた。その後、先発ローテーションの一角を担い、3度のリーグ優勝を経験。野村氏が最後にヤクルトを指揮した1998年には17勝で最多勝のタイトルを手にし、沢村賞にも輝いた。

 川崎氏は野村氏のミーティング内容をまとめた「野村ノート」を今も大切にしており、このノートが、プロで活躍できた要因の1つと考えている。その中で、野村氏は本を読む大切さを説いた。川崎氏は「TURNING POINT」で野村氏とのエピソードを明かし、読書について次のように話している。

「ノムさんは常々、本を読めと言っていました。本は成功者が書いているので、成功するエッセンスがたくさん入っています。ノムさんも実際、たくさんの本を読んでいて、これだという言葉をピックアップしてミーティングで自分たちに教えていたのだと思います」

 川崎氏は自己啓発やマーケティングなど、様々な分野の本を読んだ。そして、少年野球の子どもたちにも読書を勧めている。親しみやすい小説でも、柔らかい内容の本でも、必ず頭や心に残る「言葉」があるという。川崎氏は「自分の中で引っかかる言葉があると、行動に移しやすくなります。ヒントやきっかけがないと動きづらいと思います」と子どもたちに語りかけ、読書を通じて野村氏が大切にしていた「向上心」を持つヒントも得られると語っている。

 選手としても監督としても成功したノムさんの教えは、時代や世代を超えて野球の技術を伸ばすきっかけとなる。

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