利き手やメーカーで違う「グラブの型付け」 専門店が解説、家でもできる方法は?

メーカーや左右によっても違うグラブの型付け
メーカーや左右によっても違うグラブの型付け

道具はグラブハンマーが最適、叩きすぎは逆効果

 まだ握力の弱い少年野球の子どもたちは、グラブの扱いに苦労する。購入したばかりの硬いグラブを使いやすくするのが「型付け」。自分の手に合う形へ調整することを指すが、基本的な部分は自宅でもできるという。ポイントは「ヒンジ」と呼ばれる小指の付け根部分だ。千葉・鎌ケ谷市にある“超”野球用品店の店長が解説した。

 型付けは奥が深い。購入したばかりのグラブを叩いたり、湯もみしたりして、自分の手に最も合う形に調整していく。手の大きさや形、指の長さは個人によって異なり、全国の野球用品専門店には「型付け職人」と言われる人物が多く存在する。

 千葉・鎌ケ谷市の超野球専門店「CV」にも職人がいる。グラブの左右によって型付けの仕方が変わるため、職人も左と右で担当が違う。中村勇太店長は「同じ内野手用グラブといっても、メーカー、品番によって形が違います。個々の形に合わせた型付けが基本です」と話す。

 グラブを購入した店に職人がいたり、スチーマーと言われる専用の蒸し器があるようなら、型付けを依頼できる。ただ、自宅でも基本的な部分は可能だ。大切なのは「ヒンジ」と呼ばれるグラブの小指の付け根部分。中村店長は「ヒンジの角度に合わせて型付けをしていかないといけません。親指だけでなく、ヒンジの部分も縫い目に合わせて折ることで開閉できるようになってきます」とポイントを挙げる。

 まず、親指と小指を合わせて、親指側からグラブを叩いていく。続いて、小指側を叩く。その際に、「ヒンジ」の縫い目に合わせて叩くと、スムーズにグラブを開閉できるようになる。道具はグラブハンマーが最適で、角がついているハンマーはグラブに傷を付けてしまう恐れがあり、避けたい。また、叩きすぎると革が伸びてしまうので、必要な部分だけにとどめておく。

 グラブの使いやすさを左右する型付け。子どもたちがボールを捕る楽しみを感じられるように、知っておきたい知識の1つだ。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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