子どもと近すぎる“距離感”が成長を妨げる 指導歴20年の専門家が保護者へアドバイス
学童とリトルを20年指導、年中夢球氏の教え子にはプロ野球選手も
少年野球の子どもたちの成長は、保護者の成長とイコールとも言える。学童野球とリトルリーグで指導者を計20年間務め、プロ野球選手も育てた年中夢球氏は、指導者や保護者に子どもとの接し方を伝えている。様々な分野のプロフェッショナルが少年野球の悩みを解決するプログラム「TURNING POINT」では、野球が上達する親子の距離感を解説。子どもと距離が近すぎる保護者は、子どもが成長する機会を奪ってしまうと呼び掛けている。
年中夢球氏は学童野球とリトルリーグで20年間指導者を務めた。多い時には80人のメンバーがチームに所属し、神奈川県大会で優勝した経験もある。DeNAの育成左腕・石川達也投手は教え子の1人だ。現在は講演や書籍を通じて、指導者や保護者に経験や考えを伝えている。
少年野球の課題は「指導者と保護者、両方にある」と指摘し、「子どものために一緒に手を取り合う当たり前のことがうまくいっていない」と指摘する。保護者の問題点に挙げるのは「子どもとの距離感」だ。
「親御さんと子どもの距離が近すぎます。近すぎると子どもが自分で考えたり、行動したりする機会が減ってしまいます。本来、子どもが気付く場面、感じる場面を保護者が否定と強制の言葉を使うことで、子どもは考えなくなってしまいます」
問題に直面した時に試行錯誤することで考える力が養われ、引き出しが増える。子どもが自分で考える前に保護者が口を出したり、手助けしたりすると、結果的に成長するチャンスを奪ってしまう。年中夢球氏は、子どもに期待する保護者の気持ちに理解を示しながらも、「親御さんが我慢、自立することが大事です」とアドバイスしている。
動画では他にも、少年野球の仕組みに関する問題点も指摘。住んでいる学区によって入団できるチームが限られる地域があることについて「自分の方針に合ったチームを選べるシステムができるといい」と話している。
(Full-Count編集部)
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