“ノーノー”より“10安打完封”が嬉しい? 鷹・東浜巨が理想に掲げる究極の投球

ソフトバンク・東浜巨【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・東浜巨【写真:荒川祐史】

オフはファーム施設の近くに宿をとり野球漬けの日々を過ごす

「なかなか噛み合ってなかったところが一番大きかった。そこの不安を取り除こうというので、オフから取り組んできた」。オフは筑後のファーム施設で単独で自主トレに励んだ。ファーム施設の近くに宿を借りて住み込み、毎日、朝から晩まで野球漬けの日々を送った。自分の状態を取り戻し、打者との勝負に集中できるようにする。それを突き詰めた先にあったのが、今回のノーヒットノーランだった。

 とは言うものの、東浜にとって“ノーヒット”は己の信条にはそぐわない。亜大から2012年のドラフト1位でソフトバンクに加入した東浜がアマチュア時代から掲げていた理想は「10安打で完封」。調子のいい時は誰だって完封できるもの。調子の悪い時、どれだけ安打を打たれても0点に抑えることができることが、ピッチングの究極だと考えていた。

 沖縄尚学時代に選抜優勝を果たし、進学した亜大でも1年春からリーグ戦で登板。4年間で東都大学リーグ通算62試合に投げて、35勝19敗、防御率1.31の好成績を残した。35勝のうち、完封は実に22試合を数えた。だが、大学時代はもとより、高校時代もノーヒットノーランの経験はない。東浜曰く、人生で最後にノーヒットノーランを達成したのは中学生まで遡るという。

「10安打で完封できるっていう信条も曲げずにやっていきたいと思います」

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