筋力に頼らず、大事なのは「骨の動かし方」 全国制覇3度、シニア監督が語る選手育成

取手リトルシニア・石崎学監督【写真:伊藤賢汰】
取手リトルシニア・石崎学監督【写真:伊藤賢汰】

取手リトルシニア・石崎監督はU-15日本代表コーチも経験

 子どもたちが目指すのは中学日本一ではなく、プロ野球選手であり、甲子園出場のはず。15歳以下(U-15)日本代表のコーチ経験があり、茨城県にある中学硬式野球の強豪「取手リトルシニア」を率いる石崎学監督は、先のステージを見据えた指導をモットーにしている。特に重点を置くのが、骨の動かし方だ。

「中学で日本一になりたくて野球を始める人はいないはずなんです」

 取手リトルシニアの石崎監督は決して、中学野球を軽視しているわけではない。実際、チームは3度の日本一を果たした全国屈指の強豪だ。成長途中の中学生を指導する立場として、目の前の勝利以上に選手の未来を考えている。

「最初はプロ野球選手になりたい。それから、その前に甲子園にも行きたいという夢が出てくると思うんです。そのための今があるというのが基本方針になっているので、高校、大学と息の長い選手を育てることがベースにあります」

 選手の将来を見据えた時、中学生で身に付けておきたい技術と、必要のない技術があるという。成長期の子どもたちは、体の大きさや筋力に個人差があるためだ。そこで、石崎監督が大事にしているのは、筋力に頼らず「骨を上手に動かすこと」。高校に進んで筋力をつければ、速い球を投げたり、打球を遠くに飛ばしたりできるという。

 普段の練習では、筋力がなくてもできる動きに関しては厳しく指導している。例えば、ボールの握り替えやプレーの判断は高いレベルを求めている。高校や大学、社会人やプロで活躍する選手の育成を掲げながら、中学日本一も達成している石崎監督。育成世代の野球技術向上プログラム「TURNING POINT」で明かした指導方針は、ジュニア世代の選手だけではなく、指導者にも響くはずだ。

(Full-Count編集部)

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