鷹・柳田悠岐は日々ヒントを探す探求者 宇佐見打法に詰まった強打者としての“凄み”
自主トレでも後輩に経験を伝えるだけでなく、後輩から何かを吸収しようとする
スコアラー室で相手投手の配球や自身のフォームをチェックするだけでなく、空いた時間に他の選手の打撃フォームの映像も頻繁にチェックする。オリックスの吉田正尚外野手や阪神の佐藤輝明内野手といった球界を代表する強打者はもちろん、日本ハムの宇佐見真吾捕手もその中の1人だった。
普段から他の選手のフォームを研究し、自らの引き出しに加えている柳田。自主トレでも年下の選手に経験を伝えるだけでなく、後輩からでも何かを吸収し、自らの成長に繋げようとする姿勢も目立つ。決して驕らず、慢心しない。「他の人の映像は見ているので、その中でスムーズに行きそうやな、と。そういう感じです」。日々、積み重ねているからこそ、ふとした時にイメージが湧いてくる。柳田の“凄み”が詰まった一撃だった。
自ら球団を通じたコメントで宇佐見を参考にしたことを明かしていた。にも関わらず、ヒーローインタビューで「宇佐見選手を参考にしたようですが?」と問われて「なんで知ってるんですか?」と、すっとぼけたところも“柳田らしさ”。「ありがとうございます! 宇佐見選手!」と、素直に感謝するところもまた周囲に愛される素養だ。
24日からは交流戦が始まる。昨季、ソフトバンクは5勝9敗4分と大きく負け越し、球団ワーストタイの11位に終わっている。柳田は「去年はあまり勝てなかったので、今年は勝てるように頑張りたい」という。打撃の状態も徐々に上がりつつある。18試合にわたる交流戦。過去2度、MVPに輝いている柳田の打棒爆発を期待したい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)