本塁打1本で「終えられるように」 鷹・今宮健太が明かす打撃好調の理由
「前ほどバットを振らなくなったというか、コンパクトに振るっていうところだけをイメージ」
ソフトバンクの今宮健太内野手が好調だ。交流戦スタートを前にして、リーグ2位の打率.348、1本塁打15打点をマーク。2010年に入団し、今季が13年目。これまで規定打席に到達した年のキャリアハイは2017年の.264だった守備の名手が、バッティングでも目覚ましい活躍を見せている。
ここまで43試合で138打数48安打を記録し、打率は日本ハムの松本剛外野手に次ぐ2位。安打数は松本剛、ロッテの高部瑛斗外野手に次ぐ3位とリーグ屈指の成績を残す。二塁打もチームトップの10本を放っており、出塁率も.400に乗せている。
今宮自身は好調の要因について「前ほどバットを振らなくなったというか、コンパクトに振るっていうところだけをイメージしてやれている。その結果、いい打球が飛ぶということでいい結果になっているんじゃないか」と分析する。コンパクトなスイングだけを心がけることで、安打を量産している。
2017年、2019年には14本塁打を放ち、2016年から4年連続で2桁本塁打をマーク。172センチの小柄な体ながらパンチ力も持ち味だった。ただ、一発の魅力により、欲望が生まれ、力任せのフルスイングになっていた。これを正したのが藤本博史監督ら首脳陣。キャンプ中から「振り過ぎるな」と事ある毎に口を酸っぱくして伝え、今宮の打撃を矯正させた。
「打撃コーチの村上さんだったり、長谷川コーチだったり、藤本監督に『振りすぎるな』というのをちょくちょく言われています。特に長谷川コーチとは常に話をしながら、迷いなくゲームに入っていけてるのがいい状態に繋がってるのかな。型にはまってきたのかなとは思っていますけど、忘れた頃にまた戻っちゃうんで。常に意識して、やっていければいいと思います」
ここまで取り組んできた成果で、好調な打撃が続く今宮。どれだけ打率が出ていても、ホームランはやはり「打ちたいです!」と言う。ただ、今はその欲求を抑え込む。「打ちたいですけど、今1本ですけど、この1本で終えられるように頑張りたい」。本塁打を“捨てた”「新今宮」が交流戦でも安打を量産するか。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)