150cm未満だった選手もプロ入り 悩む育成期の“体格差”、強豪中学監督が送る助言

上一色中学野球部・西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】
上一色中学野球部・西尾弘幸監督【写真:伊藤賢汰】

「体の動かし方やトレーニング方法を覚えれば、上のカテゴリーで生きる」

 体の成長に個人差があるのは受け入れるしかない。成長期が来て体が大きくなれば、ライバルとの差は埋まる。西尾監督が重点を置くのは、体格にとらわれない体の使い方だ。

「体の使い方は体格に関係なく大切です。体が大きくても正しく体を使えていなければ力を出し切れませんし、小さい子は大きくなる時に備えた準備になります。怪我を予防する上でも重要です」

 西尾監督はチームにトレーナーをつけて、正しく体を動かすためのトレーニングを練習メニューに取り入れている。体の動かし方を身に付けると、無駄なくボールやバットに力を伝えられるようになる。大事にする動きの1つにスローイングがある。

「主に肩甲骨や股関節の動かし方をトレーニングしています。筋トレではなく、ストレッチが多い。以前は『こう投げなさい』と選手に伝えていましたが、トレーナーが理想的な投げ方になるようにトレーニングしていきます。体が小さくても、体の動かし方やトレーニング方法を覚えれば、上のカテゴリーに進んだ時に生きるはずです」

 体が大きくなる時はいずれやって来る。その日を信じてトレーニングに励みたい。

(間淳 / Jun Aida)

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