「何のためにバットを振っているのか」 スクイズ禁止、神戸甲南ボーイズが目指す人間教育
「社会に出た時に必要とされる人間になってほしい」
大所帯のチームでは、試合に出られない選手の姿も見られる。両親は決して安くない部費を払い、子どもの成長を願っているが、指導者がそれに応えられない――。そんな光景を多く見てきた。
「試合に出ないまま終わる子もいる。それで高校に進学して野球を続けられるのかと考えると『違うな』と。楽しかったはずの野球を嫌いになって辞めていくのは寂しいですよね。レギュラーじゃなくても、一生懸命練習している子が試合に出てヒット打つ。めちゃくちゃ喜んでる姿をみると指導者としても一番嬉しい」
清水監督は2007年、西武の裏金問題で早大硬式野球部を退部処分になった過去がある。大学卒業後もNPB入りを目指し、最後は独立リーグのBC信濃でプレーし現役を引退した。27歳から神戸甲南ボーイズの監督を務め、今年で10年目を迎える。
「野球界への恩返しではないですが、少しでも子どもたちの成長に力になれれば。社会に出た時に必要とされる人間になってほしい」
クラブチームの存在意義とはなにか。清水監督は選手たちに技術だけではなく、人間的な成長も願っている。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)
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