岩橋玄樹さん、夢の東京ドームで巨人戦始球式 “休養”も打ち勝った“自分との戦い”
始球式は2018年8月の2軍戦でも経験済みも…
練習を重ね、一時は120キロを計測するほどのスピードボールも投げることができた。アイドルという多忙を極める中でも、トレーニングを怠ることはなかった。
すると、その思いを知った巨人軍が2軍戦で、始球式の舞台を用意してくれたのだ。2018年8月15日のイースタンリーグ・楽天戦。場所は憧れの東京ドームだ。(巨人軍の温かい心遣いに今でも感謝しています)。2015年にプロ野球オールスターの試合前にイベントで擬似体験をしたことはあったが、単独で巨人のユニホームを着て、投げるのは初めてのことだった。この日も数日前から緊張しっぱなし。無理もない。小さい頃からここで投げる意味も価値もわかっているのだから。
楽天の1番は、現在巨人に移籍している八百板卓丸外野手だった。胸元に速球を投げ込んだ。岩橋さんのサプライズ登場にスタンドは沸いた。存在を知らない人も多かったはず。夏休みとあり、2軍戦でも約2万人は集まっていた。その観客たちがどよめいていた。
岩橋さんにとっては1軍も2軍も関係ない。大好きな野球、そして巨人の本拠地で投げられることの喜びが全身に駆け抜けた。周囲の人間に感謝の思いを伝え、大役を終えた。歌やダンスと同じくらい、野球をする自分のことをファンが楽しみにしていることを知っていた。彼にとって、東京ドームはどんな時でも夢の場所だった。
次の目標は明確になっていた。ファンの皆さんに勇姿を見せるため、巨人の1軍戦の始球式に呼ばれることと、満員の東京ドームでライブを行うことだった。勢いに乗っていくと思われたが、病魔が襲った。始球式から3か月後の11月。芸能活動から離れ、しばらく休養することになったのだ。聞いた時は心配になったが、きっと大丈夫だろうと思えた。多くのファンが支えてくれているから、そこに戻ってくるはず、だと。彼からはファンを大事にしていることを聞いていた。“置き去り”にすることは絶対にしないと断言できた。