史上最強と謳われた“ダイハード打線”の真実 名伯楽が明かす強打者の育て方
くすぶっていた村松の打撃フォームをレベルスイングに改良
この年、1軍野手は打撃好調だったが、その中でも飛躍的に成績を向上させたのが井口、村松有人、川崎宗則の3人だった。(以下は前年成績との比較)
村松
2002年 94試合 打率.259 0本塁打 14打点 7盗塁
2003年 109試合 打率.324 6本塁打 57打点 32盗塁
井口
2002年 114試合 打率.259 18本塁打 53打点 21盗塁
2003年 135試合 打率.340 27本塁打 109打点 42盗塁
川崎
2002年 36試合 打率.232 0本塁打 8打点 3盗塁
2003年 133試合 打率.294 2本塁打 51打点 30盗塁
俊足が武器の村松は1996年に58盗塁、打率.293をマークしていたが、その後は成績を落として打率.250前後を行ったり来たりするシーズンが続いていた。新井氏は村松に対しまず、足を生かすために叩きつけてゴロを転がすようになっていたスイングを修正しようとした。
「フライを上げるぐらい、振り上げるイメージでやってみようと。それでようやくレベルスイング。これまでは後ろの肩が突っ込んでスイング軌道も悪かった。レベルスイングで良いライナーが打てるように取り組み打撃が開眼した」
打率も一気に上昇したが、打球が上がるようになったことで、リーグ最多の13三塁打を記録。ホームランも自己最多の6本を放つなど、前年とは別人のような打撃スタイルを確立させた。