なぜセパの“格差”は縮まった? ドラフト戦略に現れる「求める選手像の違い」

ヤクルト・奥川恭伸(左)とロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ヤクルト・奥川恭伸(左)とロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

両リーグ知る橋上秀樹氏「日本シリーズはどこが出ても競った展開になる」

“パ高セ低”の時代は終わったのだろうか――。今季のセ・パ交流戦はセ・リーグ球団が55勝53敗で2年連続で勝ち越した。2019年まではパ・リーグが16回中15回勝ち越していたが、コロナ禍による2020年の中止を挟み、昨年はセ・リーグが49勝48敗11分で12年ぶり2度目の勝ち越し。さらに日本シリーズでも、ヤクルトがオリックスを4勝2敗で破り、セ球団では2012年の巨人以来9年ぶりに日本一の座に就いた。

「僕は昨年の交流戦開幕前から、セ・パの力の差は解消されたと考えていました。日本シリーズも、どんなマッチアップになったとしてもセ球団に勝つチャンスがあると見ていましたよ」。楽天や巨人、西武、ヤクルトで名コーチとして鳴らし、現在ルートインBCリーグ・新潟の監督を務めながら、評論家活動も行う橋上秀樹氏は語る。「今年もセ・パの力は拮抗している。日本シリーズも、どのチームが出てきたとしても競った展開になると思います」と予測する。

 セとパの“格差”が縮まったのはなぜか。「かつてはパの各球団に“スーパーエース”と呼ばれる投手が集中していて、セを圧倒していましたが、昨年くらいから鳴りを潜め始めました。今もオリックス・山本、ソフトバンク・千賀ら何人かはいますが、大谷(翔平投手=前日本ハム)君がメジャーへ移籍するなど数が減りました」と橋上氏は指摘する。

象徴的な2019年ドラフト…佐々木朗希はパ、奥川恭伸はセが指名

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