交流戦でパ唯一勝ち越しのロッテ 井口監督が「頑張った」と称える若手左腕とは

打線復調のカギは「マリーンズ本来の戦い方に立ち返ること」

 開幕以来、交流戦の間も先発陣が頑張ってくれました。中継ぎ陣も打線の援護がない中で耐えてくれている。ここまでの戦いを振り返ると投手陣の力で勝てた試合も多いので、ここから先の戦いは本当に打線の奮起が物を言うでしょう。

 交流戦では左腕の佐藤奨真がよく頑張っていたと思います。3月に育成から支配下登録となった投手で、12日のDeNA戦では6回4安打2失点でプロ初勝利。5月中旬に1軍合流した後は、しっかり緩急を生かしたいいピッチングをしていましたが打線の援護がなく、なかなか勝ち星に結びつきませんでした。二木(康太)、岩下(大輝)が離脱する中、佐藤奨真をはじめ若手が出てきてくれたことは大きな意味を持ちます。

 交流戦を通じて感じたのが、セ・リーグの打撃が年々レベルアップしていること。長距離打者が増えていますし、打率を見ても3割を超える打者が多い。ヤクルトの村上、巨人の岡本(和真)、阪神の佐藤(輝明)、DeNAの牧(秀悟)ら、目につく選手が多くいました。

 そして、当然ながらセ・リーグの投手はしっかり打席でも仕事をする。バントを決めたり、バットにボールを当てたり、そういう細かな点が最近の“差”に繋がっているのではないかと思います。マリーンズでもキャンプから投手に打撃練習をさせていましたが、実際にバントを決められたかというと……これが難しい。うちだけではなく、パ・リーグ全体が苦しんだ部分でもあると思います。そんな中でも勝ち越したこと、打線が復調してきたことを前向きに捉え、17日に再開するリーグ戦に臨みます。

 ここから球宴までの約1か月は非常に大切な戦いになります。まずは勝率を5割に戻し、球宴前に貯金を作っておきたいところ。打線はもう一度、マリーンズ本来の戦い方に立ち返ることがカギになるでしょう。

 昨季までは機動力を生かしながら、アウトになっても1つ先の塁を目指す野球ができていました。今季はメンバーが替わっていることもあり、どうしても打ちたい気持ちが勝り、四球を選べない。現時点で四球数は昨季の約3割減になっています。ヒットでも四球でも出塁は出塁ですから。

 当然、個人の成績を上げることも大事ですが、僕が監督に就任して以来、チームとして繋ぐ野球を徹底してやってきています。ここまで進塁打が出なかったり、三塁に走者を置いて外野フライが打てなかったりという場面がかなりあった。自分が決めてやろうと欲を出さずに、確実に1点を取りにいく野球をしていかないと勝機は見出せません。交流戦でいい形になってきた打線の繋がりを、うまく継続していきたいところです。

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