交流戦でパ唯一勝ち越しのロッテ 井口監督が「頑張った」と称える若手左腕とは

新戦力のオスナに感心「捕手が構えた位置からブレない」

 6月には新戦力が2人加わりました。1人はメジャー通算155セーブの右腕、ロベルト・オスナです。アストロズ時代の2019年には最多セーブのタイトルを取った実力者。来日した直後のブルペン投球では7、8割の力ではありましたが、捕手が構えた位置からブレることなく投げ込む姿を見せてくれ、さすがだなと感心しました。

 メキシコでは日本時間に合わせて生活をしていたそうで、時差ボケもゼロ。やる気満々で入団してくれて頼もしい限りです。ここまで僅差の試合が多く、ブルペンには負担が掛かっていたので、オスナの加入は大きい。その分、外国人枠を調整する必要がありますが、中継ぎも抑えも両方できるので、益田(直也)が連投すれば抑えを任せられる。選択肢が増え、ブルペンへの負担が軽減されることを期待しています。

 もう1人の戦力は、10歳の宇都宮幹汰くんです。特定非営利活動法人Being ALIVE Japanが運営する「TEAMMATES」事業の一環として、急性リンパ性白血病で長期療養中の宇都宮くんがチームに加わってくれました。これまで辛い治療を受けながら病気と一生懸命に戦っている宇都宮くんの頑張りは、チームに大きな元気と勇気を与えてくれます。

 宇都宮くんのような子どもたちがマリーンズの一員として力になってくれることは大切なこと。入団発表ではご家族の皆さんもすごくいい笑顔を見せてくれました。こういう事業や地域密着の活動などを通じて、シーズン中でもチームとして世の中に貢献していけるのは素晴らしいと思います。今後も継続していきたいですね。

 開幕から波に乗りきれず、チーム内には「去年は2位だったのに、今年は? アレ?」という焦りが生まれ、優勝するために「去年以上のことをしてやろう」と変に気負いすぎていた部分がありました。上を目指す気持ちは間違いではないけれど、マリーンズにはマリーンズの野球がある。欲を出して自分で決めようと、繋ぐことが疎かになっていましたが、ようやく原点を見直して通常に戻りつつあると思います。

 応援して下さるファンの皆さんに笑顔になってもらうには、何よりも試合に勝つことが一番。勝たないことには笑顔になれませんから。ここから笑顔を増やせるように、一つ一つ勝利を重ねていきます。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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