女子野球は“違うスポーツ”と捉えよ… 元プロの強豪チーム監督が唱える斬新な改革案

女子野球が必ず見られる「専用球場」の建設を提言

 これまでも折に触れて提案し続けてきたことがある。それが女子野球専用球場の設立だ。女子野球は比較的試合時間が短く、高校野球のように1つの球場で1日3試合の実施が可能。全国を見渡せばチーム数が足りないことはない。女子野球専用球場を作っても高い稼働率は保てるだろう。

「女子野球というカテゴリーのルールを作るとともに、専用球場を作るべきだと言っています。女子にとっての甲子園とも言える球場を1つ作ればいい。そこはカラフルな色合いだったり、女子化粧室がしっかり整っていたり、完全に女性目線で作った球場。男子が使わせてほしいと言っても『いやダメです』と言えるくらいのね(笑)。

 専用球場を作れば『ここに行けば必ず女子野球を見られる』という場所が生まれる。毎日、あるいは毎週土日に必ず女子野球が開催されていますっていう場所を作らないと。いつまでも各地で球場を借りながらやっているようではダメですよ。例えば『今日ちょっと時間が空いたから女子野球でも観に行く?』ってなった時、専用球場に行けば対戦カードは分からなくても必ず試合をやっている。そういう場所を作るべきだと思っています」

 ここまで競技の未来について考え、真剣に向き合っている指導者の下でプレーする選手たちを羨ましく思う人も少なくないだろう。監督就任を引き受けてから16年。新谷氏が女子野球で指導を続ける理由は何か。

「実はですね、辞めるきっかけがないんです(笑)。有難いことにBCリーグや社会人チームから監督・コーチの声を掛けていただくこともあるんだけど、大学にいると4年生が卒業すると1年生が必ず入ってくる。その繰り返しで16年。毎年チームの色も変わるから面白いしね。いい選手が入ってきたら強い、入ってこなかったら弱いでは、嫌なんです。自分が監督をしている以上はずっと強くいたい。それが役目だと思っているから。

 選手が入れ替わっても、常に優勝を狙える位置にいようと思ってやっていると、辞める区切りがないんですよ。自分が踏ん切りをつけないだけかな(笑)。たまには男子の野球に戻りたいなって思うこともあるけど、こうやって慕われているうちが人間、華じゃないですか」

 女子野球の神様は、まだしばらく新谷氏を手放すことはなさそうだ。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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