新庄剛志監督が企てた「形勢逆転」 2日連続で大活躍の打者に送った“刺客”
日本ハムはリーグ戦再開から連敗、ロッテの勢いに飲み込まれたが…
■ロッテ 3ー1 日本ハム(18日・札幌ドーム)
日本ハムは18日、札幌ドームで行われたロッテ戦に1-3で敗れ、リーグ戦再開から2連敗。借金は「13」にふくらんだ。前日の大逆転負けで決勝打を許した中村奨吾内野手に、3安打1打点と再び決定的な働きを許す展開。ただ指揮官は最後までもがいた。変則投法の鈴木健矢投手を中村奨への“刺客”として送り込み、試合の流れを変えようとしたのだ。強いチームになるには、劣勢の流れを変えられるカードが必要。他の投手にはない個性を持つ鈴木も、その候補になりうる存在だ。
口を開けば名言があふれる新庄監督も、さすがに言葉を紡げなかった。ロッテに敗れた試合後は記者会見を開くことなく、広報を通じて「コメントが見当たらないのがコメント」と報道陣に伝言。ロッテの勢いを止められず、このカード負け越しが決まった悔しさが透けて見えた。
7回まで4-0とリードしながら、8回に2点、9回に5点を失うという大逆転負けを喫した前日の試合後、新庄監督は「ロッテが流れを持って行った。明日は何とか、その流れを止める試合をしていかないといけない」と話していた。大逆転を決める決勝打を放った中村奨はまさにそのキーマンだったが、この日は試合開始から餌食になった。先発した伊藤大海は初回に右前打、3回には2死一、二塁から好機を広げる左前打を許し、その後4番の山口に先制適時打を許した。5回には1死二塁から左翼線を破る適時二塁打を浴び3点目を失った。まさにやられ放題だった。
伊藤は6回107球を投げ3失点で降板。試合はしっかり作る粘投だった。点差は2点。新庄監督はここから、何とか勝負できる態勢を作ろうと動く。7回、河野を4月24日以来の1軍マウンドに送り出したが、先頭の高部に左前打を許すとあっさり交代。ここまで3安打の中村奨を止めるために送り込んだ刺客は、今春のキャンプからアンダースローに取り組む鈴木だった。