最速170キロ大学生、なぜドラフト注目116位? MLB公式が追った“低評価”のワケ

テネシー大のベン・ジョイス【写真:Getty Images】
テネシー大のベン・ジョイス【写真:Getty Images】

米テネシー大3年生のベン・ジョイス「僕に実績がないのは確か」

 最速170キロを誇る大学生に、MLB公式サイトも注目している。米テネシー大3年生のベン・ジョイス投手は5月に105.5マイル(約169.8キロ)を投じて話題を集めた一方、ドラフト候補の有望株ランキングでは116位の低評価。同サイトでは「彼はドラフトで最大の神秘だ」と題して秘めた可能性を探っている。

 ジョイスは5月1日(日本時間2日)のオーバーン大学戦で105.5マイルを計測。一躍“時の人”となり、記事でも2022年のドラフト候補の中で最も広く名の知れた選手かもしれないと見ている。その一方で、MLB公式のドラフト有望株トップ200ランキングで下位に沈んでいる状況も指摘。「長い負傷期間とそれに伴う試合経験の少なさが、ジョイスの燃えるような速球に暗い影を落としている」という。

 高校時代やテネシー大に編入する前のウォルターステート・コミュニティカレッジ時代は、怪我の治療に多く時間を割いてきた。高校時代のヘッドコーチだったマット・バックナー氏が「彼は人生で100イニングも投げてないに違いないよ。彼の実績は、メジャーの球団からすれば怖いだろう。でも、彼に注目しないのは、それはそれで怖い」と語ったコメントを紹介する。

 高校で身長が8インチ(約20.32センチ)ほど伸びた影響で、成長板に問題を抱えたという。その後、コミュニティカレッジでウエートトレーニングを重ねて筋肉を20ポンド(約9キロ)ほどつけ、肉体を強化していった。復帰すると最速100マイル(約161キロ)まで成長し、名門テネシー大に編入。ただ、2021年シーズンはトミー・ジョン手術で棒に振った。

 しかし、今季デビューすると衝撃のボールの数々を披露。自身も「いままでの全ての努力がついに報われたのはとてもクールなことだった」と感慨深げに振り返っている。大学内では「ミスター105」とのあだ名もついたとか。「僕に実績がないのは確かだけど、それは長期的には僕のためになると思っている。今は身体的に、多くのことを背負う準備ができていると感じている。まだ僕は完成形に近づいてすらいないと思っているよ」と将来を見据えてるコメントで、記事はまとめている。

(Full-Count編集部)

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