東都連盟が“地方開催”に力を入れるワケ 秋は福島で開幕、模索する“変化と効果”

受験生増の狙いも、福島では全22大学が入試説明ブース設置の可能性

 地方開催には、加盟各大学の認知度を上げ受験生増に結びつける狙いもある。東都は1部から4部に分かれ、東京都内に所在地を置く22大学が加盟している。大分では出場した6つの大学が即席の入試説明ブースを設置。「大変好評をいただき、2部から4部までの大学からも説明会を行いたいという声が上がっています。今秋の福島では全22大学が入試説明ブースを設置する可能性もあります」と西村氏は明かした。

 東都の1部リーグは、主に神宮球場で開催されてきた。今もメイン球場であることに変わりはないが、土日は東京六大学、夜はプロ野球が使用することから、これまでは観客動員を見込めない平日の昼に行うしかなかった。この秋の福島開催は、9月3日の土曜に福島市の福島県営あづま球場で開幕カード3試合、4日の日曜に郡山市のヨーク開成山スタジアムで同カード3試合を行い、1勝1敗となったカードは、翌5日の月曜にヨーク開成山で第3戦を実施する。

 地方開催第2弾が福島となったのは「もともと東日本大震災発生から10年の節目だった昨年、東北で東都選抜と楽天の2軍の交流試合などを行うことが検討されていましたが、コロナ禍で消えた。そこで、大分開催が決まっていたこともあって、せっかくならリーグ戦の真剣勝負をお見せしたいと考えました」と西村氏。「大分からは、今後も数年に1度来てくれないかと言っていただきましたし、他県からも打診をいただいています」と確かな手応えを得ている。地方の大学が野球部を強化して活性化している中、首都圏の大学もまた変化を模索している。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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