大谷翔平、惨敗後も入念に打撃チェック エ軍シーズン折り返し前にトラウト「まだ試合ある」
地区首位アストロズに2試合連続で惨敗、トラウト「歯を食いしばって」
静まり返ったエンゼルスのロッカールーム。大谷翔平投手は帰路に就く間際に、おもむろに打撃フォームのチェックを始めた。まるで投手がいるかのように構えを作ってのイメージトレ。「お疲れ様でした」。試合終了から30分後。決して暗い表情ではなく、足早に球場を後にした。
地区首位を独走するアストロズと、球団ワースト14連敗にマドン監督の解任、大乱闘とゴタゴタが続くエンゼルス。この2試合はチーム状況が浮き彫りとなる惨敗だった。序盤から大量失点し、打線は12三振。チームリーダーのトラウトは前夜から自己ワーストの7打席連続三振と目を疑うような打撃となっている。
「今は落ち込んでいる状況だが、これも野球。イライラが募るが、これまでにも経験してきたこと」
「原因は何かひとつではない。歯を食いしばって切り抜けるしかない」
打てない時でもきっちりの取材対応は、さすがスーパースターだが、この異変は乗れないチームからの影響も大きいだろう。
チームは地区4位に転落。82試合が残っているが、大乱闘による出場停止もあって指揮するはずの監督も入れ替わり立ち替わり。終戦したかのような空気を変えるのは簡単なことではない。
主戦左腕サンドバルは5回8安打5失点と苦しい投球。ベンチでうなだれる左腕を大谷が励ます場面があった。どん底のチームを救うには、これまで牽引してきたトラウトと大谷の奮起は不可欠だ。「まだたくさん試合は残っている。このメンバーに自信を持っている」とトラウト。まずは地区首位を独走するアストロズに意地を見せたい。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)