新聞記者からまさかの“就任要請” 広島・松田オーナーに託された3連覇の土台作り
高卒5年目のシーズンを終えた丸は「遠心力を使うスイングでハマれば飛ぶが、安定感はなかった」
当時の広島は1997年(3位)を最後にAクラスから遠ざかっていたが、若手にはポテンシャルの高い選手が多く、チームは転換期を迎えていた。松田オーナーからの就任要請を受け、新井氏はカープのユニホームを着ることを決断した。
「オリックスの2軍監督を務めていた時から『いいものを持っている選手が多い。自分だったらこうやって指導していくだろうな』と思っていました。初めてのセ・リーグでしたが、そこまで戸惑いもなく入れた。ちょうど還暦で赤いユニホーム、これも何かの縁かなと思った」
2012年、秋季キャンプから打撃コーチとして指導がスタートする。新井氏が若手メンバーの中で最も注目したのは高卒5年目のシーズンを終えた丸だった。「いいものは持っていたが、それを生かすことができていなかった。遠心力を使うスイングでハマれば飛ぶが、安定感はなかった」。まずは走力、長打力がありながら、1軍の舞台でくすぶっていた丸の打撃改造に着手していく。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)