激戦区・大阪に突如現れた“怪腕” 王者・大阪桐蔭を追いつめ芽生えた「攻守の欲」

大阪電気通信大学高・的場吏玖(まとば・りく)【写真:喜岡桜】
大阪電気通信大学高・的場吏玖(まとば・りく)【写真:喜岡桜】

大阪電気通信大高の的場、1試合20奪三振や大阪桐蔭を追い詰め注目

 高校野球の激戦地・大阪に彗星のごとく現れた“怪腕”がいる。大阪電気通信大高のプロ注目右腕、的場吏玖(まとば・りく)だ。的場は183センチの長身から振り下ろす最速144キロの直球と三振が取れるキレのある変化球が持ち味の好投手だ。

 大阪桐蔭と履正社が「2強」とも呼ばれるこの地区にその両校を脅かすチームが現れると、全国の高校野球ファンは好奇心をくすぐられてきた。2017年夏の決勝で大阪桐蔭への大冠による猛攻撃や、2020年秋に履正社から近畿大会出場を勝ち取った山田などが代表例だろう。今夏の大阪電気通信大高にも、そんな期待が寄せられている。

 的場は同校の最高成績である8強入りを果たした昨夏の大阪大会でも、背番号「11」ながら先発マウンドに立つなど、旧チームから主力として活躍。「自分がもっと長く投げられたら」と肩を落とした準々決勝では、3回以降に失点を重ねて1-7で関大北陽に敗戦。しかし、この悔しさを果たした今春の大阪府大会4回戦が的場を一躍有名にした。関大北陽との再戦が実現し、20三振を奪う完封勝利をやってのけたのだ。

 続く5回戦では、春の選抜王者・大阪桐蔭と対戦。1-4で試合には敗れたものの、8回を投げて4安打3失点と、強烈なインパクトを残した。特に印象に残っている打者として松尾汐恩捕手を挙げ「厳しいコースでも打ってくるので難しい打者。甘い球は打たれるので、しっかり厳しいコースに投げられるようになりたい」と、再戦に向けて闘志をたぎらせている。

攻撃力強化が課題、投打の要として自力で「好投手を打ち崩す」

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