“No1ビール売り子”はなぜ売れる? トップが語る秘訣は「可愛い順、人気順ではない」

キリンビールで4月度、5月度売り上げNo1だった「あかり」さん【写真:福谷佑介】
キリンビールで4月度、5月度売り上げNo1だった「あかり」さん【写真:福谷佑介】

あかりさんの考え「売り上げた杯数とは、お客様を満足させた回数」

 1年が経つと、すっかり売り子の魅力にどっぷりとハマった。「お客様を思う気持ちがしっかりと数字、杯数に表れるところです。私も始めた頃は(売れるのは)可愛い順、人気順だと思っていたんですけど、実際はそうじゃなかった。しっかりお客様のことを考えて動けば、数字が出る。そこが魅力だなと思いました」。キリンでトップの売り上げを叩き出すようになった「あかり」さんの売れる“秘訣”はどこにあるのか。

「自分なりの考え方なんですが、売る技術も必要ですが、何のためにそれをするのかを考えるようにしています。他の売り子がいない場所に行くというのは、売り子のテクニックとして有名なんですが、なぜそれをするのかを考える。『ビールを買えず、喉が渇いて仕方がない』お客様がいる、と、お客様主体に置き換えて考えることで、自分のための行動じゃなくてお客さんのための行動になることが、結果的に売り上げに繋がるのだと思います」

「あかり」さんには常連客が80人ほどおり、そのうち、1試合で観戦に訪れるのは多くて40人前後。「あかり」さんは全員のビールを飲むペースを全て頭の中に叩き込んでいるという。「Aさんは試合前に2杯、Bさんは3杯飲む、とか…。1杯飲むのに何分くらいかかるか、そういったことを把握した上で頭の中でルートを繋げていきます」。“トップ売り子”はただ闇雲に球場内を歩いていないということがよく分かる。

「売り上げた杯数とは、お客様を満足させた回数だと思っているんです。お客様のビール事情に徹する売り子になることで、売り上げも上がるんじゃないかなって思ってそうしました」。新型コロナも以前に比べれば落ち着きを取り戻し、球場でビールを楽しめるようになった。その喜びを感じているのは売り子たちも同じ。ビールを口にする時には、こうした売り子たちの“思い”も少しばかり感じてもらいたい。

【売り子写真集】私服姿と制服姿にギャップも… キリンビールの「あかり」さんの写真ギャラリー

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