巨人と大相撲がタッグ? 7競技14チーム・団体が集結した「TOKYO UNITE」とは
合同でマーケティング、イベント、グッズ開発も「年間切れ目なく試合を楽しめる」
プロ野球の巨人、ヤクルト、日本相撲協会、JリーグのFC東京など、東京に本拠地を置く7競技14のスポーツチーム・団体が集結し、「TOKYO UNITE」を結成し、7日に都内のホテルで発足記者会見が開かれた。これだけのチームが競技の壁を乗り越えて一堂に会するのは異例。何をやろうとしているのだろうか。
「TOKYO UNITE」の素案は、アテネ、北京五輪で計4個の金メダルを獲得し、現在はプロ競泳チーム「Tokyo Frog Kings」のゼネラルマネジャーを務める北島康介氏と巨人の間で生まれた。「東京をホームタウンとするチームが集まって何かやれたら面白い、という話になり、そこから1チームずつ声をかけさせていただきました」と北島氏は話す。参加する14チーム・団体は次の通りだ。
野球 読売ジャイアンツ
野球 東京ヤクルトスワローズ
相撲 日本相撲協会
水泳 Tokyo Frog Kings
サッカー FC東京
サッカー FC町田ゼルビア
サッカー 東京ヴェルディ
サッカー 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
バスケット アルバルク東京
バスケット サンロッカーズ渋谷
ラグビー 東京サントリーサンゴリアス
ラグビー 東芝ブレイブルーパス東京
ラグビー リコーブラックラムズ東京
卓球 木下マイスター東京
今後は各チームが合同でマーケティング、プロモーション、イベントなどを実施。共同の観戦グッズ、アパレル商品の開発にも取り組み、来年にはそれらを販売する店舗も都内にオープンさせる予定だという。
スポーツ各競技は、少子化の傾向が強まる中、競技人口やファンの奪い合いという側面もあるが、「TOKYO UNITE」はそうではなく共存共栄の可能性を探るものといえる。会見に出席した巨人の山口寿一オーナーは「14団体のスケジュールを並べてみると、年間を通して切れ目なく、試合や本場所を東京で見ることができる」と指摘。「1年中スポーツを楽しめるわけで、ファンの皆様にはお好きな競技を超え、他のスポーツにも興味を持っていただき、TOKYO UNITEの取り組みを応援していただきたい」と語った。
日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は「最近、子供たちがキャッチボールをしたり、サッカーボールを思い切り蹴ったりできる場所が少ないことは承知している」と述べ、「東京で本場所が行われない10、11月には、両国国技館のアリーナでキャッチボールをしたり、ボールを蹴ったりしてもらってもいいのではないか」と個人的なアイデアを披露した。スポーツ界共通の課題に挑むための画期的な取り組みが、首都で端緒に就いた。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)