昨季までプロ1安打の30歳がなぜトレード? 古巣・中日にはなかった“居場所”
2015年ドラフト6位、プロ7年目の石岡諒太がオリックスへ
中日から交換トレードでオリックスに加入した石岡諒太内野手。成績だけみれば、プロ7年目でわずか10安打。今年5月には30歳になり、決して若いわけでもない。それでも、期待され続けてきた潜在能力。魅力を発揮する“居場所”をつかむべく、新天地に飛び込む。
とにかく怪我に泣かされてきた。2015年のドラフト6位でJR東日本から入団。1年目のキャンプイン直前に腰の不安が露見し、椎間板ヘルニアの手術を受けた。シーズン序盤に復帰するも、今度は右太もも裏痛で再離脱。同期入団の中で、唯一1軍出場なしに終わったルーキーイヤーだった。
2017年に1軍デビューを果たしたが、わずか2試合止まり。2018年は1軍出場なしに終わり、2019年8月に再び椎間板ヘルニアの手術を受けた。2020年から育成となり、2021年8月に支配下に復帰し、その年の10月にプロ初安打を記録した。
思い切りのいいスイングと勝負強い打撃は、入団当初から熱視線が注がれていた。プロ1年目から、当時2軍監督だった小笠原道大(現・巨人2軍打撃コーチ)から度々マンツーマンで指導を受け、下半身主導の打撃フォームを徹底的に叩きこまれた。左打ちでフルスイングが代名詞。“ガッツの秘蔵っ子”は、チームの政権が変わっても、首脳陣たちはその打棒に期待し続けてきた。
一方で左投げのため、守れる内野は一塁のみ。その定位置には、入団した2016年から助っ人のビシエドが君臨し続けている。外野を担うこともあったが、今季のチームは“打てるヤツは外野へ”の大号令のもと大渋滞。なかなか出場機会を見出すことができなかった。
指名打者もあり、今季不動の一塁がいないオリックスで今度こそ“居場所”を作れるか。豪快な打撃だけでなく、俊足も売りのひとつ。走る姿が「エヴァンゲリオン」に似ていると愛されてきた背番号「00」の新たな挑戦が始まる。