苦言が一夜で称賛に…鷹リチャードの2打席連発を呼んだ藤本監督の「魔法の言葉」

「両方打ちに行ったら打てないよ。打つんだったら内か外かハッキリしていったらどうだ」

 この日は試合に向け、藤本監督自らある助言を伝えていたという。「今日は宮城投手ということで、1番いい球っていうのはインコースへの真っ直ぐとチェンジアップ。『両方打ちに行ったら打てないよ。打つんだったら内か外かハッキリしていったらどうだ』と話していた」と指揮官。この藤本監督からの一声で、迷いが消え、頭が整理できたのだろうか。投手の左右は違えど、前日はさっぱり当たらなかったスライダーを、2打席とも狙い澄ましていたかのように捉えてスタンドに運んだ。

「『スライダー来ました!』って喜んどったけどね」と笑っていた藤本監督。「素晴らしいホームランだったですよ。ああいうのを打てたんだから、もう自信にしてね。宮城はいいピッチャーですから、あのピッチャーから2本もホームランを打てたということは本当、これから自信持って打席に入ってくれたらいいかなと思いますけどね」と前日の苦言からはうって変わって、称賛の言葉を並べた。

 気がかりなのは途中交代となった腰の違和感の状態だ。指揮官は「大事になる前に代えた」と言うものの、チームを勢い付けられる大砲が離脱となれば、さらなる痛手となる。計り知れない可能性を感じさせたこの日の2発。ここからの覚醒を期待したいものだ。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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